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「2007年の閣議決定」はいずれも「河野談話」の継承を明示している――「河野談話」の意義を低める橋下市長発言(8月24日)の誤りを正す【要約版】

「2007年の閣議決定」はいずれも「河野談話」の継承を明示している――「河野談話」の意義を低める橋下市長発言(8月24日)の誤りを正す【要約版】

2012年8月29日

 橋下市長は8月24日の記者会見で、政府が「慰安婦」問題での「お詫びと反省の気持ち」を表した「河野談話」(2003年)について、要旨次のように述べました。

 ➀「2007年の閣議決定」で「慰安婦」の強制連行を裏付ける直接の記述・証拠はないことが確認されている、➁それは「河野談話」を「見直す」か、閣議決定が「間違って」いるかの「どちらか」という関係に立ち、➂閣議「決定」は河野「談話」より上位のものであるから、「慰安婦」問題については「河野談話」でなく「2007年の閣議決定」こそが「日本政府の決定」といえる。

 しかし、市長のこの発言は「2007年の閣議決定」に対する重大な事実誤認の上に立つものです。

 2007年に開かれた105回の閣議の中で、直接「慰安婦」問題にかかわった案件は9件ですが、これらはいずれも日本政府の基本的な立場が「河野談話」を継承するものであることを明示しています。

 今回の橋下市長発言の根拠と目されるのは、3月16日の次の閣議決定(答弁第110号)に含まれる次のアンダーラインの部分です。

 「お尋ねは、『強制性』の定義に関連するものであるが、慰安婦問題については、政府において、平成三年十二月から平成五年八月まで関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、同月四日の内閣官房長官談話(以下「官房長官談話」という。)のとおりとなったものである。また、同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである。

 調査結果の詳細については、『いわゆる従軍慰安婦問題について』(平成五年八月四日内閣官房内閣外政審議室)において既に公表しているところである・・・」。

 しかし、まず、上の「決定」はアンダーライン部分の主張をもって「河野談話」の否定を主張したものではありません。

 それは、同じ「決定」が、「慰安婦」問題に関する「政府の基本的立場は、官房長官談話を継承しているというもの」だと明言し、「官房長官談話は、閣議決定はされていないが、歴代の内閣が継承しているものである」、「慰安婦」への謝罪については「官房長官談話においてお詫びと反省の気持ちを申し上げているとおりである」と述べていることに明らかです。

 「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」。それにもかかわらず、日本政府は「河野談話」を「継承」するというのが、この「閣議決定」の論旨です。
なお、この論点については、4月20日の「閣議決定」(答弁第169号)が、さらに明快に日本政府の立場を表しています。

 「(河野談話は)政府において、平成三年十二月から平成五年八月まで関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、当該談話の内容となったものであり、強制性に関する政府の基本的立場は、当該談話のとおりである」。

 繰り返しておきましょう。「強制性に関する政府の基本的立場は、当該(河野)談話のとおりである」というのが、この「閣議決定」の内容です。

 「河野談話」は、政府諸機関に残された文書資料だけでなく、「元軍人等関係者」や「元従軍慰安婦の人たち」からの聞き取り、米国公文書の調査、沖縄の現地調査、さらに内外の多くの文献を参考にまとめられましたが、上記「閣議決定」は「これらを全体として判断した結果」「強制性に関する政府の基本的立場」が「河野談話」のとおりであることを再確認するものになっているのです。

 「河野談話」は、「慰安婦」の連行に関する「強制性」について次のように述べました。

 「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった」。

 「2007年の閣議決定」は、このことをしっかり「決定」するものになっています。

 さらに追加しておけば、同じ4月20日の「閣議決定」(答弁第168号)や、6月5日の「閣議決定」(答弁第266号)は、中国やインドネシアでの個別事案をめぐり、強制連行の事実を認定した上での極東軍事裁判所やバダビア臨時軍法会議の判決を、国は「受諾」し、これに「異議を述べる立場にない」ことも確認しています。

 以上の検討結果を踏まえるなら、「2007年の閣議決定」を理由に「河野談話」の意義を低め、あるいは見直しを求めた橋下市長の発言には、何の客観性も正当性もありません。そこにあるのは「2007年の閣議決定」に対する市長の事実誤認、それだけです。

 私たちは、あらためて橋下市長に、次のことを強く求めたいと思います。

 「日本の政治家の責務として、橋下市長には『慰安婦』問題の歴史と関連する戦後政治史の事実、さらには戦時性暴力の克服をめざす現代国際社会の努力を、広く、しっかり学んでいただくことを要望する」。

 市長にはこの要望を、ぜひとも深く胸に刻んでいただきたいと思います。

 以上。

※なお、9件の「閣議決定」を1件ずつ具体的に検討したものに、「『2007年の閣議決定』はいずれも『河野談話』の継承を明示している――『河野談話』の意義を低める橋下市長発言(8月24日)の誤りを正す」のフルサイズ版(http://nanumu.blog59.fc2.com/blog-entry-282.html)があります。詳細については、そちらをご参照ください。(W)

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「2007年の閣議決定」はいずれも「河野談話」の継承を明示している――「河野談話」の意義を低める橋下市長発言(8月24日)の誤りを正す


「2007年の閣議決定」はいずれも「河野談話」の継承を明示している――「河野談話」の意義を低める橋下市長発言(8月24日)の誤りを正す

(1)

8月24日朝の「囲み取材」で、橋下市長は「慰安婦」問題について、あらためて自説を展開した。ただし「慰安婦」問題をめぐる歴史に対しては、これといって新しい論点が示されたわけではない。むしろ、安倍晋三氏をはじめ様々な論者によって、長く、語られてきた事柄の繰り返しに終始しているといっていい。

そうした議論への基本的な批判は、「『慰安婦』問題の解決に向けた意見書可決をすすめる会」による「橋下市長の『慰安婦』問題での発言(8月21日)に対する抗議文」ですでに明らかにしておいた(http://nanumu.blog59.fc2.com/blog-entry-278.html)。これはもちろん市長にも届けさせていただいている。

上の「抗議文」は次の文章で締めくくられた。
「日本の政治家の責務として、橋下市長には『慰安婦』問題の歴史と関連する戦後政治史の事実、さらには戦時性暴力の克服をめざす現代国際社会の努力を、広く、しっかり学んでいただくことを要望するものです」。


(2)

その上で、ここで追加してとりあげたいのは、市長が、24日に次のように語ったことである。

「河野談話でいろんな表現はあるけれども、しかし2007年に強制連行を示す、それを裏付けるような、直接示すような記述、直接のその証拠はなかったということを2007年の安倍内閣のときに閣議決定はされているわけです。そうであれば、河野談話の中身をもう一度、しっかり疑義がないように、内容を見直すのか、それとも2007年の閣議決定が間違っていたか。どちらかですよ。
で、僕はやっぱり2007年の閣議決定というのは、河野談話を出した以降、それは日本政府がそういう閣議決定をする以上はやっぱりそれは責任をもってやっていると思いますよ。河野談話は閣議決定されていませんよ。それは河野談話は、談話なんですから。
 だから、日本政府が、日本の内閣が正式に決定したのは、この2007年の閣議決定だった安倍内閣のときの閣議決定であって、この閣議決定は慰安婦の強制連行の事実は、直接裏付けられていないという閣議決定が日本政府の決定です。」

ごらんのように市長は、➀強制連行を裏付ける直接の記述・証拠はないということが、2007年に閣議決定されており、➁それは河野談話を「見直す」か、閣議決定が「間違って」いるかの「どちらか」という二者択一の内容をもつものであり、➂「談話」より閣議「決定」は上位に立つのだから、その「2007年の閣議決定」こそが「日本政府の決定」なのだと述べている。

結果として、これは日本政府に対する重要な告発にもなっている。「慰安婦」問題についての政府見解をまとめた外務省のサイトは、「2007年の閣議決定」については一言もふれず、「河野談話」やそれに先立つ「加藤談話」を掲載しつづけているからである(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/index.html)。

もし市長がいうように、「2007年の閣議決定」が「河野談話」と両立しえないものであり、しかも前者が「日本政府の決定」だというのが事実であれば、日本政府は2007年から今日までの5年間、日本政府の見解の重要な転換を、世界に隠し続けてきたことになる。

同サイトに外務省が掲げた最新の文書は、2011年8月の「慰安婦問題に対する日本政府のこれまでの施策」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/ianfu.html)だが、それは次のように述べている。

「平成5年(1993年)の調査結果発表の際に表明した河野洋平官房長官談話において,この問題は当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとして,心からのお詫びと反省の気持ちを表明し,以後,日本政府は機会あるごとに元慰安婦の方々に対し,心からのお詫びと反省の気持ちを表明している。」

これが事実を隠すための文章であれば、それは重大な国際問題となる。

ただし、それは、橋下市長の上の議論が正しいとすればの議論である。


(3)

以下では、この事実関係を確かめたい。行うべきは「2007年の閣議決定」の調査である。

首相官邸には「閣議案件」をまとめたサイトがある(http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/index.html)。そこで「閣議案件のバックナンバー」(http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/kakugi-bk.html)のページを開けば、「平成19年1月9日」から「平成19年12月28日」までの105回の閣議案件が確かめられる。

105回の案件一覧をすべて開いて検索したところ、案件のタイトルに「慰安婦」の文字が含まれたのは、次の9件だけであった。

➀平成19年03月16日(金)「衆議院議員辻元清美(社民)提出安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問に対する答弁書について」
➁平成19年04月20日(金)「衆議院議員辻元清美(社民)提出安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する再質問に対する答弁書について」
➂平成19年04月20日(金)「衆議院議員辻元清美(社民)提出安倍首相の「慰安婦」問題についての発言の「真意」に関する質問に対する答弁書について」
④平成19年06月05日(火)「衆議院議員辻元清美(社民)提出安倍首相の「慰安婦」問題についての発言に関する質問に対する答弁書について」
⑤平成19年06月05日(火)「衆議院議員辻元清美(社民)提出バタビア臨時軍法会議の証拠資料と安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問に対する答弁書について」
⑥平成19年06月05日(火)「衆議院議員辻元清美(社民)提出極東国際軍事裁判の証拠資料と安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問に対する答弁書について」
⑦平成19年07月06日(金)「衆議院議員鈴木宗男(無)提出米下院外交委員会で可決された従軍慰安婦問題への決議案に対する日本政府の対応に関する質問に対する答弁書について」
⑧平成19年08月15日(水「衆議院議員辻元清美(社民)提出「慰安婦問題」についての米下院決議と安倍首相の謝罪に関する質問に対する答弁書について」
⑨平成19年11月09日(金)「衆議院議員辻元清美(社民)提出福田首相の慰安婦問題についての認識に関する質問に対する答弁書について」

ご覧のように、以上はいずれも衆議院議員からの質問に対する「答弁書」の確認である。

この「答弁書」と事前に衆議院議員から提出された「質問趣意書」については、衆議院のサイトに全文が公開されている(http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_shitsumon.htm)。それを読めば、上記➀~⑨のすなわち「慰安婦」を案件名にふくむ「2007年の閣議決定」のすべてを確かめることができるというわけである。


(4)

以下、1件ずつ内容を確かめたい。確認すべき論点は、a)「強制連行」に対する認識、b)「河野談話」に対する認識の2点にしぼりこむ。

➀について(2007年3月16日)

答弁書はこう述べている。

a)「強制連行」に対する認識
「お尋ねは、『強制性』の定義に関連するものであるが、慰安婦問題については、政府において、平成三年十二月から平成五年八月まで関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、同月四日の内閣官房長官談話(以下「官房長官談話」という。)のとおりとなったものである。また、同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである。
調査結果の詳細については、「いわゆる従軍慰安婦問題について」(平成五年八月四日内閣官房内閣外政審議室)において既に公表しているところである・・・」。

b)「河野談話」に対する認識
「三の1について-官房長官談話は、閣議決定はされていないが、歴代の内閣が継承しているものである」「三の2について-政府の基本的立場は、官房長官談話を継承しているというものであり、その内容を閣議決定することは考えていない」「三の3について-御指摘の件については、官房長官談話においてお詫びと反省の気持ちを申し上げているとおりである」。

※b)に登場する「三の1」などは質問の項目である。念のために、以下に「三の1」から「三の3」までの質問を全文書き写しておく。「三 《「河野官房長官談話」の閣議決定》について」「1 『河野官房長官談話』が閣議決定されていないのは事実か。事実であるなら、どのような扱いなのか」「2 安倍首相は、『河野官房長官談話』を継承すると発言している以上、『河野官房長官談話』を閣議決定する意思はあるか。ないのであれば、その理由を明らかにされたい」「3 政府は『慰安婦』問題について『すでに謝罪済み』という立場をとっているが、いつの、どの文書や談話をもって謝罪しているという認識か。すべて示されたい」。

a)を読むにあたり確認しておきたいのは、「河野談話」や談話のための調査の経過と概要を記した「いわゆる従軍慰安婦問題について」は、「強制連行を直接示すような記述」を根拠に事柄への判断を下したとはどこにも書いていないということである。この点について「河野談話」の内容を導く調査の経過と内容について「いわゆる従軍慰安婦問題について」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/pdfs/im_050804.pdf)は次のように述べている。

「政府は、平成3年12月より、関係資料の調査を進めるかたわら、元軍人等関係者から幅広く聞き取り調査を行うとともに、去る7月26日から30日までの5日間、韓国ソウルにおいて、太平洋戦争犠牲者遺族会の協力も得て元従軍慰安婦の人たちから当時の状況を詳細に聴取した。また、調査の過程において、米国に担当者を派遣し、米国の公文書につき調査した他、沖縄においても、現地調査を行った。調査の具体的な態様は以下の通りであり、調査の結果発見された資料の概要は別添の通りである」。

また「上記の資料調査及び関係者からの聞き取りの結果、並びに参考にした各種資料を総合的に分析、検討した結果、以下の点が明らかになった」として、「慰安婦の募集」について次のように述べている。

「慰安婦の募集については、軍当局の要請を受けた経営者の依頼により斡旋業者らがこれに当たることが多かったが、その場合も戦争の拡大とともにその人員の確保の必要性が高まり、そのような状況の下で、業者らが或いは甘言を弄し、或いは畏怖させる等の形で本人たちの意向に反して集めるケースが数多く、更に、官憲等が直接これに加担する等のケースもみられた」。

以上のように「河野談話」は、政府諸機関の文書資料だけでなく、「元軍人等関係者」や「元従軍慰安婦の人たち」からの聞き取り、米国公文書の調査、沖縄の現地調査など行い、さらに各種の参考資料にもあたった上での「総合的」な判断にもとづいたものである。

この点を了解した上で、a)を読むならば、「河野談話」発表の日までに「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」ことが、仮に事実であったとしても、それだけで「河野談話」の内容を覆す意味をもつわけでないことは明らかである。

くわえてb)を見るならば、質問「三の2」に対して政府(安倍内閣)は「河野談話」の閣議決定をしりぞけながらも、同時に「政府の基本的立場は、官房長官談話を継承している」と述べている。

a)で「河野談話」を否定し、b)で「河野談話」を継承するという自己撞着に陥っているのでなければ、この「答弁書」は、a)をあえて書き込みはしたが、それ理由に「河野談話」を否定しようとしたものでないと理解する他ない。

➁について(2007年4月20日)

「答弁書」はこう述べている。

a)「強制連行」に対する認識-(直接の言及なし)。

※ただし、A・「極東軍事裁判所の判決の中国の項に『女工』の名目で『募集された婦女子に、日本軍隊のために醜業を強制した』とあるがこれを認めるか、B・オランダ政府公文書「旧オランダ領東インドにおけるオランダ人女性に対する強制売春」に含まれた「スマラン事件」についてのバタビア臨時軍法会議の判決(抑留所の女性を暴力的に慰安所に移したとして日本人担当者は死刑)を認めるかとの「質問」に、「我が国は、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号。以下「平和条約」という。)第十一条により、同裁判を受諾しており、国と国との関係において、同裁判について異議を述べる立場にはない」「我が国は、平和条約第十一条により、連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾しており、国と国との関係において、同裁判について異議を述べる立場にはない」と繰り返し、「強制連行」の認定をふくむ2つの判決を承認している。

b)「河野談話」に対する認識
「オランダ出身の慰安婦を含め、慰安婦問題に関する政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話のとおりである」「我が方在オランダ大使より、オランダ外相に対し、慰安婦問題に関する日本政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話を継承するものであること、また、安倍総理は、元慰安婦の方々が極めて苦しい状況に置かれ、辛酸をなめられたことにつき、心から同情し、おわびする旨明確に述べていること等を説明した」。

以上である。a)が、強制連行の認定にもとづく判決に「国と国との関係において」「異議を述べる立場にない」というのが日本政府の態度だとしていることは重要ある。

先の3月16日の「答弁書」➀は、「調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」と書いていたが、では、その「政府が発見した資料」に、このように政府として「受諾」済である裁判資料は含まれていたのか、いなかったのか。そういう問いが、そこから立つ。

「裁判について異議を述べる立場にはない」のであるから、そこに含まれた証拠書類についても「異議を述べる立場にはない」。これが常識的な判断だろう。そうであれば、先の「政府が発見した資料」は、これらの裁判資料を除外したものだということになる。

➂について(2007年4月20日)

「答弁書」はこう述べている。

a)「強制連行」に対する認識
「二の1及び2について-平成五年八月四日の内閣官房長官談話は、政府において、平成三年十二月から平成五年八月まで関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、当該談話の内容となったものであり、強制性に関する政府の基本的立場は、当該談話のとおりである」。

b)「河野談話」に対する認識
「一の3について-政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話の内容全体を継承しているというものである」。

※質問「一の3」は「『当初、定義されていた強制性を裏付けるものはなかった。その証拠はなかったのは事実ではないかと思う。』という三月一日の安倍首相の発言は、河野官房長官談話のどの箇所を踏襲したものか。安倍首相の真意を示されたい」というものである。
質問「二の1」は「安倍首相のいう『狭義の強制性』とは、どのような定義によるものか。『家に乗り込んでいって強引に連れていった』以外にどのようなケースがあるのか。具体的に示されたい」であり、また質問「二の2」は「安倍首相のいう『狭義の強制性』以外は、すべて『広義の強制性』になるのか。安倍首相の見解を示されたい」である。

a)は「強制性に関する政府の基本的立場は、当該談話のとおりである」と述べており、これは強制連行の有無をめぐる「閣議決定」としてきわめて重要なものである。質問は「強制性」一般についてではなく、「慰安婦」の連行の「強制性」を問うていた。その「強制性」について、安倍内閣は「政府の基本的立場」は「河野談話」の「とおりである」と明言したのである。

ここにいたって橋下市長が語った「河野談話」と対立する「2007年の閣議決定」の存在は、かなり危ういものとなってくる。ここで結論をあわてる必要はない。最終の結論は、当然のことながら、関連情報のすべてをしっかり確かめてから、厳密に下すことにしたい。

④について(2007年6月5日)

「答弁書」はこう述べている。

a)「強制連行」に対する認識-(直接の言及はない)。

※ただし、現地時間4月27日のブッシュ大統領との「記者会見において、安倍内閣総理大臣は、日本語で、慰安婦の問題について昨日、議会においてもお話をした、自分は、辛酸をなめられた元慰安婦の方々に、人間として、また総理として心から同情するとともに、そうした極めて苦しい状況におかれたことについて申し訳ないという気持ちでいっぱいである、二十世紀は人権侵害の多かった世紀であり、二十一世紀が人権侵害のない素晴らしい世紀になるよう、日本としても貢献したいと考えている、と述べた」とある。

b)「河野談話」に対する認識
「いずれにせよ、御指摘の安倍内閣総理大臣の発言は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話に沿ったものである」「慰安婦問題に関する政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話のとおりである」。

b)で「河野談話」が「政府の基本的立場」だと繰り返しながら、a)の※印部分のように「元慰安婦の方々に」「申し訳ない」と謝罪しているのであるから、それは「河野談話」が認めており、安倍内閣も「答弁書」➂で認めた「強制性」の承認とその上にたった「お詫びと反省」(河野談話)に「沿ったもの」だと理解する他にない。

⑤について(2007年6月5日)

「答弁書」はこう述べている。

a)「強制連行」に対する認識-(直接の言及はない)。

※ただし、「マゲラン事件」についてのオランダ・バタビア臨時軍法会議書類番号23126(この書類はオランダ政府戦争犯罪調査局が作成したもので、バタビア臨時軍法会議に証拠資料として提出され、採用されたものとされる)が、少女たちの強制連行に関する証言を記録していることを問われて、「答弁書」は「連合国戦争犯罪法廷の裁判については、御指摘のようなものも含め、法的な諸問題に関して様々な議論があることは承知しているが、いずれにせよ、我が国は、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号)第十一条により、同裁判を受諾しており、国と国との関係において、同裁判について異議を述べる立場にはない」とこたえている。

b)「河野談話」に対する認識-「いずれにせよ、オランダ出身の慰安婦を含め、慰安婦問題に関する政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話のとおりである」。

これも「河野談話」を「政府の基本的立場」として認めており、さらに強制連行の証言を証拠書類として採用した「マゲラン事件」についての裁判結果を、日本国は「受諾」していることを繰り返し認めるものとなっている。

⑥について(2007年6月5日)

「答弁書」はこう述べている。

a)「強制連行」に対する認識-(直接の言及はない)。

※ただし、「マゲラン事件」についてのオランダ・バタビア臨時軍法会議書類番号7868/R(極東国際軍事裁判での書類番号:PD5770/EX1725)(この書類はオランダ政府戦争犯罪調査局が作成したもので、極東国際軍事裁判に証拠書類として提出され、採用されたものとされる)が、民間人抑留所からマゲランへの女性の連行と日本兵による性交の強要を記録していることについての質問に、「極東国際軍事裁判に対しては、御指摘の資料を含め、関係国から様々な資料が証拠として提出されたものと承知しているが、いずれにせよ、オランダ出身の慰安婦を含め、慰安婦問題に関する政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話のとおりである」とこたえている。

b)「河野談話」に対する認識-「御指摘の点を含め、慰安婦問題に関する政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話を継承しているというものである」。

これも「河野談話」を「政府の基本的立場」として認め、「マラゲン事件」の被害者を含む「オランダ出身の慰安婦」に対しても同様の姿勢を確認するものとなっている。

安倍内閣の「答弁書」➂は、連行の「強制性」についての理解を「河野談話」と同じくすることを明言したが、そうであればこれら「慰安婦」に対する「お詫びと謝罪」(河野談話)は、その「強制性」に対する「お詫びと謝罪」を当然含むものとなろう。

⑦について(2007年7月6日)について

「答弁書」はこう述べている。

a)「強制連行」に対する認識-(直接の言及はない)。

b)「河野談話」に対する認識-(直接の言及はない)。

※ただし、2007年6月26日に米下院外交委員会が、「第二次世界大戦中に日本軍に強制的な売春を強いられたとされているいわゆる従軍慰安婦(以下、「従軍慰安婦」という。)の問題に関して、日本政府に対し謝罪を求める決議案」を「可決」したことに関する質問に、「慰安婦問題に関しての政府の立場については、例えば、安倍内閣総理大臣が平成十九年四月の訪米の際明らかにするなど、既に説明してきているところである」とこたえている。

ここで「答弁書」がいう「四月の訪米」は、「答弁書」④で見たように、「いずれにせよ、御指摘の安倍内閣総理大臣の発言は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話に沿ったものである」ことが確認されているものである。したがって、この「答弁書」も「河野談話」に対立する内容を含むものではまったくない。

⑧について(2007年8月15日)

「答弁書」はこう述べている。

a)「強制連行」に対する認識-(直接の言及はない)。

b)「河野談話」に対する認識-「慰安婦問題に関する政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話を継承しているというものである」。

※ただし、「安倍首相は、『米下院外交委員会の決議案は客観的事実に基づいていない』と考えるか。基づいている、いないで答弁されたい。また、そう考える根拠も併せて示されたい」との質問に、「答弁書」は「御指摘の決議の内容につき一つ一つ取り上げて意見を述べることは差し控えたいが、全体的に言えば、特に、慰安婦問題に対する日本政府の取組に対して正しい理解がなされていないと考える」と答えている。

一部に文章の曖昧さが見られるが、それでも、※印の部分は「政府の基本的立場」が「河野談話」の「継承」であることを前提しており、前記「答弁書」④⑦は「四月の訪米」で「河野談話」にそった説明がなされたことを明らかにしていた。

そうであれば、ここでの「日本政府の取組に対して正しい理解がなされていない」ことの内容は、「河野談話」が示した「お詫びと反省の気持ち」が正しく理解されていないことを指摘したものと見るべきだろう。

いずれにせよ、ここでも「河野談話」に対する見解の明示はない。

⑨について(2007年11月9日)

この「答弁書」は安倍内閣退陣後の福田内閣によるものだが、こう述べている。

a)「強制連行」に対する認識-(直接の言及はない)。

b)「河野談話」に対する認識-「慰安婦問題に関する政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話のとおりであり、現内閣においてもそれを継承している」。

※ただし、「安倍前首相による『慰安婦問題に対する日本政府の取組に対して正しい理解がなされていない』とする答弁(四)について、福田首相は同じ認識か。そうであれば具体的にどのような取組に対し、どのように『正しい理解がなされていない』と考えるか」との質問に、「回答書」は「お尋ねについては、先の答弁書(平成十九年八月十五日内閣衆質一六七第六号)二についてでお答えしたとおりであり、御指摘の決議の内容につき一つ一つ取り上げて意見を述べることは差し控えたい」と述べている。

上の「答弁(四)」は、前記「答弁書」⑧の※印部分に引用したものである。この再度の問いに対して、福田「内閣」も「河野談話」を「継承している」ことを前提に、安倍首相と同じ回答を繰り返した。


(5)

以上が、「慰安婦」を案件名に含む「2007年の閣議決定」の「a)強制連行」と「b)河野談話」に関する認識のすべてである。これを了解した上で、再び、橋下市長の8月24日に発言にもどってみたい。

先に(2)で確認したように、橋下市長は「2007年の閣議決定」について、要旨、次のように述べていた。

➀「2007年の閣議」では、強制連行を裏付ける直接の記述・証拠はないということが決定されており、➁それは河野談話を「見直す」か、閣議決定が「間違って」いるか「どちらか」という、二者択一の関係に立つものである、➂その上で、閣議の「決定」は「談話」より上位に立つものであり、「2007年の閣議決定」こそが「慰安婦」問題についての「日本政府の決定」ある。

しかし、見てきたように、2007年の9件の「閣議決定」の中に「政府の基本的立場」が「河野談話」の「継承」にあることを表明しなかったものは、ただの1つもない。逆に、9件の「閣議決定」のすべてで「河野談話」の「継承」を確認したのが、「2007年の閣議決定」であった。

つまり、市長が上記➁のように強調した、「河野談話」の内容に対立し、双方の「どちらか」だけが正しいという関係にたつ「2007年の閣議決定」はどこにもなく、したがって「河野談話」の内容に反する決定が「日本政府の決定」として行われている事実もどこにもない。

日本政府が外務省のサイトに「河野談話」を掲載し、これを最新の2011年8月の文書でも再確認していることは、まったく適切なことであり、ここに市長がいう「2007年の閣議決定」を掲載していないことも、まったく適切なことであった。

「2007年の閣議決定」が、強制連行をめぐる証拠がなかったことを確認しているという点については、重要なところなので、あらためて整理をしておきたい。

第一に、2007年3月16日の「答弁書」➀(答弁第110号)は、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」と述べている。しかし、「河野談話」は、そもそもそうした直接の「記述」に依拠して「慰安婦」連行の強制性を認めたものではなく、これをもってただちに「河野談話」との対立をいうことはできない。

第二に、2007年4月20日の「答弁書」➁(答弁第168号)、⑤(答弁第266号)は、個々の強制連行の認定の上に立って下された極東軍事裁判所やバダビア臨時軍法会議の判決を国として「受諾」し、国としてこれに「異議を述べる立場にない」ことを明らかにした。そうであれば「答弁書」➀が「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする「政府が発見した資料」には、これらの裁判資料は含まれていないということになる。

第三に、2007年4月20日の「閣議決定」➂(答弁第169号)は、「慰安婦」の強制連行をめぐる質問に「平成五年八月四日の内閣官房長官談話は、政府において、平成三年十二月から平成五年八月まで関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、当該談話の内容となったものであり、強制性に関する政府の基本的立場は、当該談話のとおりである」と明快に述べている。

この「強制性」について「河野談話」は次のように述べている。「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった」と述べている。「閣議決定」は、これを「強制性に関する政府の基本的立場」だと認めているのである。

以上のことから、「2007年の閣議決定」が、「慰安婦」連行の「強制性」について、「河野談話」の内容に反する決定をふくむものないことは明白である。


(6)

最終的な結論を述べておこう。

8月24日の記者会見における橋下市長の発言は、「2007年の閣議決定」が「慰安婦」の強制連行を否定する内容を含むかのように述べ、それを理由に「河野談話」の意義を低め、あるいは否定しようとするものだった。しかし、そこで根拠とされた「2007年の閣議決定」に対する市長の認識は、まるで誤ったものである。

あらためて前掲「抗議文」の末尾の文章を採録しておきたい。

「日本の政治家の責務として、橋下市長には『慰安婦』問題の歴史と関連する戦後政治史の事実、さらには戦時性暴力の克服をめざす現代国際社会の努力を、広く、しっかり学んでいただくことを要望するものです」。

深く、胸に刻んでいただくことを期待したい。(W)

橋下「慰安婦」発言に対する立石事務局長の談話

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120823 立石さん談話

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橋下市長の「慰安婦」問題での発言(8月21日)に対する抗議文

 以下は、橋下市長の「慰安婦」問題での発言(8月21日)に対する、私たち「『慰安婦』問題の解決に向けた意見書可決をすすめる会」の抗議文です。

 本日(8月24日)付でマスコミ各社に公表し、橋下市長にも送付いたします。

          ------------------------------------------------------------------------------------

                                        2012年8月24日
大阪市長
橋下 徹 様
                          「慰安婦」問題の解決に向けた意見書可決をすすめる会
                                (共同代表)安達克郎(茨木診療所所長)
                                    石川康宏(神戸女学院大学教授)
                                        西欣也(甲南大学教授)

          橋下市長の「慰安婦」問題での発言(8月21日)に対する抗議文

 日本軍による性的暴行の被害者である元「慰安婦」を侮辱し、この国の進路を危うくするものであるとの理由から、8月21日の記者会見で橋下市長が行った「慰安婦」問題での発言に強く抗議し、あわせて発言の撤回と謝罪を求めます。

 新聞報道によると、市長は「(慰安婦の)強制連行の事実があったのか、確たる証拠はないというのが日本の考え方で、僕はその見解に立っている」「慰安所はあったのかもわからないけど、慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられたという証拠はない。あるなら韓国にも出してもらいたい」と述べられました。

 しかし、ここで市長がいう「日本の考え方」とは一体誰の考え方のことでしょう。

 外務省が、世界に公開しているホームページには「加藤官房長官談話(92年7月)」「河野官房長官談話(93年8月)」が掲載されており、それは「慰安婦の募集について」「甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった」(河野談話)と、強制連行の事実をはっきり認めるものになっています。

 河野談話は、日本政府自身が、警察庁・防衛庁・法務省等々の政府機関の他、国立公文書館や国会図書館、米国国立公文書館などを調査し、さらに元軍人、元朝鮮総督府関係者等をふくむ広範な当事者への聞き取りも行ってまとめられたものです。

 日本政府のこの判断が「日本の考え方」と異なる誤りだとするのであれば、その「証拠」を日本政府に向けて提出する責務を負うべきは、市長ご自身ではないでしょうか。市長はどのような「証拠」をお持ちでしょう。ぜひ、お示し下さい。

 あわせて市長は「慰安婦制度はいまから考えると非常に倫理的に問題のある制度なのかもしれないが当時の時代背景において、どういうものだったのかということを真正面から議論しなければいけない」ともいわれています。

 しかし、これも長く調査、研究が重ねられてきた事柄です。

 当時の国際法のもと、日本政府も遵守すべきであった奴隷的な強制労働や非戦闘員への虐待の禁止など「当時の時代背景」に照らしても、「慰安婦」制度が許されるものでないことはすでに明らかです。これについて、市長はどのような反証の根拠をもって、今回のような発言をされたのでしょう。

 市長もご承知ではありましょうが、「慰安婦」問題をめぐり、「河野談話」にとどまらない誠実な謝罪や事実の究明と公開、賠償などを日本政府と社会に求めているのは、「韓国」政府だけではありません。

 2007年にはアメリカ下院、オランダ下院、カナダ下院、欧州議会(加盟27ケ国)、08年にはフィリピン国会、韓国国会、台湾立法院などで、それぞれ日本政府に問題の解決を求める正式の決議が成されています。

 さらに今年アメリカのクリントン国務長官が、「慰安婦」ではなく「強制的な性奴隷」と呼ぶべきだと発言した(7月9日報道)ことも、多くの国際的な注目をあびました。

 こうした動きの背後にあるのは、現代における戦時性暴力の廃止に向けて、これまでの「不処罰の連鎖」を断ち切ることの必要が、国際社会の広い合意となっている事実です。

 「慰安婦」問題を検討の埒外においた日韓基本条約をもって、「請求権問題は解決済」とする一部の議論も、国際社会ではまったく通用するものではありません。

 橋下市長が就任される前の2010年10月に、多くの大阪市民からの要請を受け、大阪市会は「日本軍『慰安婦』問題の早期解決に関する意見書」を可決しました。それは今も大阪市会のホームページに掲載されています。

 その最後の一文は次のようになっています。

 「国におかれては、河野談話に矛盾しないよう慰安婦問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復とともに、今日なお存在する女性への暴力・人権侵害の解決に向け、誠実に対応されるよう強く要望する」。

 これこそが大阪市民の良識の声であり、市会議員のみなさんの見識の表れではないでしょうか。市長はこの意見書をどのように考えておられるのでしょう。

 以上、何ら新たな「証拠」も根拠も示すことなく、「慰安婦」被害者を侮辱し、国際社会における日本の進路を危うくさせる今回の市長の発言に、強く抗議し、ただちにこれを撤回し、謝罪していただくことを求めます。

 くわえて日本の政治家の責務として、橋下市長には「慰安婦」問題の歴史と関連する戦後政治史の事実、さらには戦時性暴力の克服をめざす現代国際社会の努力を、広く、しっかり学んでいただくことを要望するものです。

 以上

Appendix

プロフィール

「慰安婦」問題の解決を考える会

Author:「慰安婦」問題の解決を考える会
「慰安婦」問題の解決を考える会

2008年8月3日、「シンポジウム/私たちに何ができるか~若者たちと考える『慰安婦問題』」を大阪市内で開催しました。約140名の方が集まり、熱い意見交換が行われる感動的な集まりとなりました。

集会後、もっとこの活動を続けたいとの声があがり、「「慰安婦」問題の解決に向けた意見書可決をすすめる会」を発足し、関西を中心に、地方自治体から国に対し問題解決を求める意見書可決をすすめる取り組みを行ってきました。

2015年12月28日、日韓両政府の間で「合意」が結ばれましたが、私たちはこれが被害者たちの尊厳を回復する解決であるとは考えません。これまで以上に「慰安婦」問題についてともに知り考える場をつくることを目指して、「「慰安婦」問題の解決を考える会」と名称を改め、学習会や講演会の企画を進めています。

このブログも、情報共有・意見交換の場としてお役に立てれば幸いです。

なお、コメントの紹介は承認制としています。管理者が、このフォーラムの趣旨にそわないと判断した場合には、これを表示しません。あらかじめご了解ください。

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